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2018/05/02 15:56

男たちに

 

 

女とは、自らを美しく見せるものが何なのかを本能的に知っていて、自ら自身を美しいと感じることに至高の悦びを見いだすことができる存在である。

最初の女が誕生したとき、女は自らを美しく飾る手段として何を選んだのだろうか。

 

岩陰にうつむいて咲いている一輪の白い花。

野原で風に吹かれて優しくそよいでいる綿毛のような黄色い花。

そっと手を伸ばすと柔らかくしなう木の枝に咲いている小さな赤い花。

ある時それらを「美しい」と感じた一人の女が、花を手にとって自分の髪にそっと挿した。

そしてそんな自分を「美しい」と感じた。

 

その瞬間、「女」という存在が誕生したのだ。

 

 

男は、女が待つ寝床に獲物を持って帰るが、獲物がない日は女に花を捧げただろう。

女は、花を持って帰ってきた男を愛しい眼差しで迎え入れる。

そうして女は花となるのだった。

 

長い長い年月の間に、さまざまな趣向を凝らした、女を美しく飾る装飾品が数多く生み出されたが、その原点は、髪に挿した一輪の花だったのだ。

 

 

 

ある朝、一人の女が「今日は特別女らしくしたいわ」という気分の時選ぶのは、淡い花模様の透けるレースの優しいランジェリー。

また、とても悲しい思いをした翌日に、その悲しみが去っていくまで共に見届けてくれるランジェリーを選ぶ女が手に取るのは、薄いグレーで小花のレースの縁取りがあるキャミソール。

そしてある朝、悲しみの喪が明けたと気づいた女が身につけるのは、新しい出発を意味する純白のランジェリー。もちろん花模様のレースだ。

また、せわしなく流れる日々の時間の中でふと目が留まった、甘いピンク地に濃いパープルの花模様のレース飾りがついたシルクのスリップ。


花模様のランジェリーを手に取る。

自分の身体に当ててみる。

野に咲く一輪の花を摘み取って髪に挿した、太古の女と自分が重なる。

その瞬間、もう一度「女」が誕生する。

 

男たちよ。

女は花なのだ。

 

だから、あなたの愛する女性には花模様のランジェリーを送って欲しい。

あなたが送る花模様のランジェリーで、彼女はもう一度「女」として生まれる。

そしてあなたの前で花となるのだ。

あなたがそんな彼女を心から美しい思って見つめるとき、あなたは「男」になる。

 

「女」という存在が誕生することで「男」という存在も誕生するのだ。

何と幸せな関係であることか。


 

~lily ~

 

 

素敵なマイノベルを lily 様よりいただきました。ありがとうございます!!

 

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